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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第28話】お遍路さんの白装束がお守り代わり

朝と晩の2回、ばあちゃんの写真を撮り、今日の様子を書いたコメントと一緒に
家族と叔父と叔母に携帯でメールを送るのが日課です。
いい顔を撮るのはけっこう大変(笑)。でも、写真の枚数はもう1万枚を超え、
みんなの安心材料、励みにもなっています。

その叔父が、四国のお遍路参りに出かけ、
八十八カ所の霊場をまわって御朱印を押した白装束を
「お袋にかけてあげて」と送ってきてくれました。
普段は布団の上にかけていますが、入院となるとそういうわけにもいかないので、
たたんで枕元にお守りとして置いています。

自分の足で八十八カ所まわって集めた御朱印には「ご利益がある」「願いが叶う」と
言われることもあってか、看護師さんが触りにきたり、拝みにきたりすることも。
中には「試験に合格しますように」なんて祈る看護師さんもいて、
ばあちゃんのベッドはさながら病院内の神社みたいな存在になっています。

胃ろう、腸ろうをこれだけ長く続けて、「生きているのがすごい」と言われますが、
ばあちゃんにはもっともっと長生きしてほしい。
それが家族みんなの願いです。

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