【第4話】介護は孫育てしてくれたばあちゃんへの恩返し
ここで、元気だった頃のばあちゃんの話を少ししたいと思います。
うちの実家は両親が共働きで、
家に帰るとじいちゃんとばあちゃんが私達兄弟3人の世話をしてくれました。
私が小学校1年生の時に下の弟は5歳。その下の弟はまだ生まれたばかり。
その頃、母が腎臓の病気で隣の県にある盛岡市の病院に入院することになり、
物心つく前からいつもじいちゃんとばあちゃんの布団の間で寝て育ち、
寒いとばあちゃんのあったかい太ももの間に足をはさんで寝るのが
冬のいつもの光景でした。
物静かなじいちゃんに対して、ばあちゃんはおしゃべり好き。
誰に対しても分け隔てなくやさしく、明るくて、社交的。
働き者で、畑仕事をしながら家事も孫育てもやって、
おまけに裁縫も上手で、よく浴衣なんかを縫ってもらいました。
悪いことをすれば怒られもしましたが、
いつも笑顔で、無条件にかわいがってもらったと思います。
「だから今は、ばあちゃんがしてくれたことをそのまんま返しているだけなんだ」
って言うと、
「そんなことありえない。普通じゃない」
って人からは言われるんですけどね。その気持ちにウソはないんです。