【第14話】食事をしながら紅葉見物。ふたりのドライブは6年続いた
そのうちに、毎日7時間半も家の中でじっとして
流動食が終わるのをただ待っているのも味気なくなってきて、
「気分転換に食事をしながらドライブしよう」と思いつきました。
10 0円ショップで買ってきたS字フックを助手席の上にある取っ手にかけ、
そこに流動食の容器を引っかけて、盛岡まで紅葉を見に行ったり、
さくらんぼ狩りに行ったりするのです。
これを言うと、みなさん「え!?」
とびっくりされますが、
途中で水分補給できるように水筒のお湯とシリンジ(注射器)、おむつなど、
必要なものをフルセットで車に積んでおけば、それほど心配はありませんでした。
父に「走りすぎだ」と言われたくらい、
二人のドライブはその後、6年間続きました。