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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第1話】こんなはずじゃなかった、私の人生

ばあちゃんが60歳のとき、頭の中に脳腫瘍が見つかりました。
大きさは2㎝ほど。悪性の腫瘍ではなかったので様子をみることに。
でも、それが少しずつ大きくなっていき、
年に数回、めまいや嘔吐を繰り返すようになりました。
そして、76歳のとき、突然「頭の中でセミが鳴いている」と言い始めたんです。
病院で検査してもらうと、腫瘍はゴルフボールぐらいの大きさになっていました。
脳腫瘍がさまざまな神経を圧迫し、頭の中の髄液の流れも悪くなり
「水頭症」だと診断されたのです。
お医者さんに「すぐに手術を」と言われ、実家から近い病院で
平成19年6月7日に頭の中の水が上手く流れるように
“シャント”を入れる手術をしました。
ところが術後、麻酔が覚めてもばあちゃんは目覚めません。
一週間がたち、10日がたって、ようやく目を開けてくれたときには、
うまくしゃべれない、うまく飲み込めない、なかなか自力でおしっこが出せない、
認知症などの後遺症を引き起こしていました。

そのとき、私は32歳。
約半年後にばあちゃんのオムツを換えているなんて思いもよらず、
東京で一人暮らしをしながら働くフツーのOLでした。

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