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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第26話】先生の心配の種は、私⁉

ばあちゃんとの二人暮らしになって3年。
入浴、痰の吸引、聴診器でお腹の調子をみる、摘便… 病院の先生、看護師さんの
ご指導のおかげで、ほぼ一人でできるようになりました。
あるとき、病院の看護師さんが「在宅でどうやって介護しているのか見学させてほしい」と、訪問看護師さんと一緒にこられたこともあります。
普段の過ごし方を見聞きしていただき、看護師さんからもアドバイスをいただいて、
私にとってもいい勉強の場になりました。

また、先生方、看護師さんとのお付き合いも長くなり、
最近では私のことをいろいろ心配してくださるようになってきました。
ある日、脳外科の受診の際、「おかげさまで変わりなく過ごしています」と
先生に話をすると、「お孫さんのほうはどうですか?」と。
とっさのことで、「先生、やせるいい薬ないですかね?」と冗談半分で聞いてしまいました。
すると、「やせる薬はないけど、いい方法がある」とおっしゃったので、
「えっ! それはどんな方法ですか?」と思わず身を乗り出すと…
「劇的な恋愛をしなさい」と言われ、大笑いしてしまいました。

先生は、私がばあちゃんに付きっきりで結婚しないことを気にかけてくださったのです。
そんなふうに親身になってくださるのはありがたいとしか言いようがありません。
でも、正直なところ、結婚したいとか、結婚について悩んでいるとか、あせりとか、
まったくないんですよね。
わき目もふらずに介護の毎日。「せこちゃんは悩みがなくていいね」と言われるくらい
本当に余計なことは考えていません。
まわりから見たら「そっちのほうが異常だ」って言われるんですけど、
今はばあちゃんのことしか考えられないし、かわいくてかわいくてしょうがないんです。

だからといって、男性に興味がないわけではありません。
実は、韓国の俳優イ・ビョンホンさんの大ファン!!
ドラマの撮影のため、秋田県内に三週間滞在するとわかったときは
居ても立っても居られず、ばあちゃんにひと目イ・ビョンホンさんを見せたくて、
ばあちゃんを連れて田沢湖まで車を走らせたこともあります。
そのときは残念ながら姿を見ることはできませんでしたが、
またいつか秋田にきてくれることを願い、お会いできることを夢見て、
それを励みにがんばる毎日です。

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