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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第19話】病院のそばに引っ越し。ふたりきりの生活に

入院も年に一度くらいならよかったのですが、徐々に体調を崩す間隔が短くなり、
半年に一度、3カ月に一度と入院するようになってしまいました。
実家から完全に離れることに一抹の不安もありましたが、ばあちゃんに何かあっても
すぐ病院に行けるように、脳外科の主治医がいる総合病院から
歩いてすぐのところに引っ越すことにしました。
いよいよこれからが介護の本番です。

秋田市に引っ越してからは、毎日車いすを押して散歩に出かけるようになりました。
今でもよく行くのが駅前にある市民市場です。
孫がおばあちゃんを介護していると言うと、市場の人たちも親切にしてくれます。
最初は10 0円おまけしてくれる程度だったのが、「漬物をつけたから取りにおいで」と
言われるようになり、今では「煮物を炊いたから」「お餅をついたから」って電話が
かかってくるようになりました(笑)。

車いすを押して道を歩いているだけで「ご苦労さん」と声をかけてくれる人もいます。
いつだったか、車いすを押していたら、わざわざ車を停めて降りてきた人がいました。
「元気だった?」と声をかけられて最初は誰かわかりませんでしたが、
ありがたいことに、以前、同じ病室だった人が私たちを覚えてくれていたんです。
「私もがんばっているから、あなたもがんばってね!」と力強く言って、
また車に戻っていかれました。
その方も私たちの姿を見つけてうれしかったのでしょうね。
いろんな場所で、いろんな方と、
勇気や元気を交換し合っているような気がします。

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