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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第13話】「出発」「進行!」「レッツ」「ゴー!」

なるべく自分の足で歩けるようにと、毎日の散歩は欠かしませんでした。
車で近くのA E O Nまで行き、カートにばあちゃんをつかまらせてプリンやゼリー、
バナナなど買い物しながら全フロアを一緒に歩くのがいつものコースです。

歩く時間はクイズの時間にもなりました。
生鮮食品コーナーにさしかかり、
「ばあちゃん、これなんだっけ?」とクイズを出すのが私の役目です。
すると、ばあちゃんが「トマト」とか「バナナ」とか答えます。
もともと本を読むことが好きなばあちゃんだったので、
表示を読んだり、車で走っているときに見える看板を読みあげたりして、
楽しみながら日々を過ごしていました。

ちなみに、車に乗ると必ずやっていたことがあります。
私が「しゅっぱつ」と言うと、ばあちゃんが「しんこー」と言うのです。
私が「レッツ」と言えば、ばあちゃんが「ゴー」

「サルも木から」と言えば、「おちる」、「一石」と言えば、「にちょう」という具合で、
二人でかけ合い漫才みたいに言い合うのが楽しかった。
よく父に「せこちゃんとばあちゃんは2人で一人前だな」と言われていました。
訪問看護師さんがそのやりとりを見て、大笑いして帰られたこともあります(笑)。

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