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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第17話】ピンクのネイルがお気に入り

こんなこともありました。
徘徊が3カ月くらい続いたとき、いたずらのつもりで
ばあちゃんの爪にピンクのマニキュアを塗ったんです。
ばあちゃんは乾くまでじっと座っていなきゃいけないとわかったらしく、
おとなしく指を広げて待っていてくれました。
その様子にも驚かされたのですが、しばらくして爪が伸びてきたので
除光液で落とそうとすると、今度は「せこちゃん、せこちゃん、なんで赤いの取るの?」
とおねだりされて、さらにびっくり。
それからマニキュアがやめられなくなりました(笑)。

その後、ばあちゃんはとうとう歩けなくなり、車いすの生活になってしまいましたが、
車いすでマニキュアをしているばあちゃんが珍しいのか、
行く先々で「かわいい!」とほめていただくと、本人もまんざらでもなさそう。
指を広げて見せてあげるそぶりをするんです。
私自身、ばあちゃんをきれいにすることが楽しみの一つになりました。

この習慣は寝たきりになった今でも続いていて、
月に一度は甘皮をきれいにして、爪の形をやすりで整え、
お気に入りのピンクのネイルを塗り、100円ショップで買ってきたネイルシールで
ワンポイントのアクセントをつけています。

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