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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第12話】胃ろうから腸ろうへ。1日の食事時間は7時間半!

徘徊が続くばあちゃんから片時も目が離せなくなり、
その頃は、何をするにもばあちゃんと一緒でした。
家の掃除をするときも、ばあちゃんと手をつなぎながら一緒に掃除機をかけたり、
私がトイレに行くときも、ばあちゃんと一緒に入って自分の前に立たせておいたり。
両親が出かけて留守の日は、2人で一緒にお風呂に入ることもありました。

でも、3年近くが経ち、ばあちゃんにある変化が出てきました。
口から食事をとらないせいか、胃がどんどん小さくなって、
1日1食3 0 0 c c の流動食が逆流して口から戻したり、
ろう孔からもれ出して肌が荒れたりということがひんぱんに起こるようになったんです。
お医者さんと相談して、腸に直接、流動食を入れる「腸ろう」に
切り替えることになりました。
胃ろうと腸ろうの大きな違いは、食事の時間の長さです。
胃ろうが1食1時間ほどなのに対して、腸ろうは2時間から2時間半。
腸に直接入れるので、同じように落とすと身体に吸収されないまま、
すぐ下痢になってしまうからです。

その結果、1日7時間半、車いすに座ることになり、
ばあちゃんの筋力も同時に落ちてきて、自分一人で歩けなくなってしまいました。
私がばあちゃんの後ろに立って、脇の下を抱えるようにして一緒に歩いたり、
どうしても身体が右側に傾いていたので、私がばあちゃんの右側に立って
支えながら一緒に歩いたり。
徘徊は止まりましたが、今度は別の問題が出てきたのです。

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