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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第8話】Mおばあちゃんとの出会い

少し話が前後しますが、私が秋田に戻ったばかりの頃、
ばあちゃんと同じ病室に入院していた一人のおばあちゃんと出会いました。
70代のMおばあちゃんです。

娘さんが毎日欠かさず朝晩食事を食べさせながら
痴話げんかしている姿がほほえましく、印象的な母娘でした。
娘さんが仕事にでかけると、ひんぱんにナースコールを鳴らすMおばあちゃん。
看護師さんも呼ばれる回数が多くて忙しそうです。
それを見ているうちに、娘さんがいない間、自然と私がMおばあちゃんの御用聞きや
話し相手をするようになり、もう一人おばあちゃんができたような気持ちになりました。

ばあちゃんが歌い出すと、M おばあちゃんが歌に合わせて手拍子を始めます。
そんな2人の姿がかわいらしく、楽しそうで、私もうれしくなりました。
療養病棟に移ってからも、毎日欠かさずばあちゃんを車いすに乗せて、
Mおばあちゃんのいる病室に面会に行くようになりました。

何カ月も入院していると、いろんな家族のドラマも見えてきます。
いつしか病院が自分の家のように感じていました。

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