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ばあちゃんと私の物語

9年前から孫一人でおばあちゃんの在宅介護をしています。幼い頃からおばあちゃん子で育ってきた私にとって、人生で一番感謝しているのはばあちゃん。今度は私が面倒をみる番だと思って恩返ししているところです。これまでの9年間を振り返り、祖母の変化や介護を通じて経験したこと、孫が介護しているからこそ出会えた人たち、考えられないようなうれしいできごとについてまとめてみました。よろしければお読みください。

【第24話】心中穏やかでいられないとき

私はいつでもばあちゃんの好きにさせたい。
けれども、元気な頃は困ったこともありました。
車いすで流動食を落としている間に歩き回ったり、
流動食のもれや逆流を防ぐつなぎ目を外してしまったり。
今でこそ寝たきりなのでその必要はありませんが、当時は1日3回7時間半の食事中、
最後の一滴が終わるまで付きっきりで見ていないといけませんでした。

お腹の管の長さは65 ㎝あり、それを夜中に全部引き抜いてしまったこともあります。
そのままにしておくと胃に空いている穴がふさがってしまい、
また穴をつくる手術をしなければなりません。
そういうときは私が応急処置で管を戻し、テープで抜けないように止めてから
大急ぎで病院へ向かい、管を入れ直してもらいます。
ただ、2日連続で夜中に管を抜かれたときは、さすがにショックでしたね。
どんなに気をつけていても、ばあちゃんはやりたいようにやってしまう。
そのときばかりは腹も立ちました。

そうかと言って、怒ったら逆効果なのは私が一番よくわかっています。
ばあちゃんを自由にさせつつ手元に注意を向けて、管を触ろうとしたら「ダメだよ~」と
声をかけながら一日を過ごすような、心中穏やかでないときもありました。

実は、私と同じようにおばあちゃんの介護をしている友達が一人います。
自分の気持ちがどうにも収まらないときは、連絡して愚痴を聞いてもらったり、
「こんなときはどうしてる?」と相談したり。
困ったとき、家族以外でお互いに助け合える友達の存在は大きいですね。

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