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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第50話】良いことも、悪いこともオープンに

夏を迎え、私の体重はすっかり元通りに。
その少し前、お友達とランチを食べに行って完食できたので、そこから自信がつきました。
私と一緒にばあちゃんも太りました(笑)。
最近、顔つきがふっくらしてきたなあとは思っていたけど、
夏用のパジャマに衣替えしたらパツパツで、MサイズをLに変更!
4年前に腸閉塞を起こして10キロもやせてしまったのですが、
やっと元の体重に戻ってきたのだと思います。
車いすに乗せるのはちょっと大変。でも、調子がいい証拠だと思って喜んでいます。

病気になった当初は、私自身このまま状態が良くならず、
ばあちゃんを介護できなくなったらどうしよう…という不安はありましたが、
ばあちゃんに対する思いにまったく変わりはありませんでした。
どうしても助けが必要なときは、家族はもちろんのこと、
まわりの方々が優しく支えてくださったおかげで
なんとか乗り越えてがんばれました。

前にも少し書きましたが、自分自身で心がけていたのは、
良いことも、悪いことも、明るくオープンに人に話すこと。
自分の問題だからと隠そうとすると、まわりもどうやって助けていいかわからない。
むしろ苦しいときほどオープンになることでまわりからのサポートも厚くなり、
体の負担だけでなく、心も軽くなることを知りました。

『孫の手』はその最たるものかもしれません。
ばあちゃんの介護についてオープンにしたことで、周囲からの見られ方も変わりました。
友達は「おばあちゃんの介護をしているのは知ってたけど、こういうことをしてたんだね!」
と驚いていましたし、「感動しました!」と電話や手紙をくださる方もいました。
また、手探りで積み上げてきた介護のポイントを公開したところ、
多くの介護のプロにも関心を持っていただき、ブログに感想を載せてくださる方も。
まわりが発信してくれることで、「私も読みたい!」という人も出てくるようになりました。
『孫の手』を介して人とのつながりも深くなり、より充実した毎日が送れています。

最後に、ばあちゃんにお礼を言います。
あるとき、いつも私たちを応援してくれる仲良しの訪問美容師さんに、
「お孫さんがおばあちゃんを支えているのは間違いないけど、
お孫さん自身もおばあちゃんに支えられているんですね」と言われて、
「本当にそうだな!」と思いました。
ばあちゃんは私にとって精神安定剤みたいな存在。
ばあちゃんが入院して一緒にいられないと、不安で、心配で、手がだるくなるのに、
退院して普段の生活に戻ると自然とだるさもなくなっているんです。不思議ですよね?
『孫の手』を通して、こうして大勢の人とつながりを持てたのも
ばあちゃんが私に介護をさせてくれたおかげ。
いつまでも“ばば離れ”できない私だけど、これからも一緒にがんばっていこうね。

ばあちゃん、ありがとう! 大好きだよ!!