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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第32話】突然の発作

平成28年8月27日の朝7時頃、強い発作が起きました。
振り返ってみると、10年程前から軽い発作的な症状は起きていたんです。
新幹線や地下鉄に乗ったとき、買い物中、車の運転中、歯医者さんでの治療中、
美容室で顔にガーゼをかけられてシャンプーしてもらっていたとき、
友達と笑いながら食事していたとき…ほかにもいろいろありますが、
数秒から数十秒間、急に息苦しくなって、手足が震え、
自分を自制できなくなるような不安や恐怖が襲ってきました。

発作的な症状が起きるのは太ったせいだと思っていました。
ばあちゃんの介護が始まって5年間で、体重が20キロ近く増えていたから。
「太ったから調子が悪いんだ」とずっと思っていたんですね。
すぐ元の状態に戻るので、病気を疑うこともありませんでした。
ところが、その朝は様子が全然違いました。
1時間経っても2時間経っても症状が治まりません。
息苦しさに加えて心臓もバクバクしたまま。震えも止まらず、恐かった。
「これはタダゴトじゃない…」

近くに住んでいる弟に連絡すると、
その日は仕事が夜勤シフトとのこと。
2人目の子供が8月24日に生まれたばかりで
1人目の子供の子守り中でしたが、
すぐに駆けつけてくれて、私は救急外来に行くことができました。
仕事中だった父も早退してくれ、母と一緒に駆けつけてくれました。

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