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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第35話】最初は「さみしい病」と言われ…

そんなとき力になってくれたのが、10年前、ばあちゃんが肺炎で入院したとき、
最初にお世話になった内科のY先生。
お付き合いが長く、私にとってはお姉さんのような存在です。
Y先生は糖尿の専門医で、「糖尿病でもパニック発作のような症状が出る」と
ネットで読んだこともあり、34話で書いたように糖尿外来を受けたんです。
「内科的には異常なさそうだし、一度、心療内科に行ってみたら?」
そう言われて、自分の中で「精神的な異常があるかもしれない」と認めたくはなかったけど
9月27日、心療内科のIクリニックを受診することにしました。

最初の診断は「さみしい病」でした。
さみしいなんて一言も言ってないのに、なんでだろう。
でも、お医者さんが言うのだからそうかもしれないと思って、
出してもらった漢方薬を飲みました。

「一週間後にまた来てください」と言われた日、
「私の病気はなんですか?」とたずねると、
「パニック障害に近い欲求不満のヒステリーです」と言われました。
私がけげんな顔をしていると、「だって、男性と交際してないでしょう?」
「でも先生、私は出会いを求めているわけではないんです」
「自分でそう思い込んでいるだけで、実際はそうじゃないんだよ」

その診断にどうしても納得できず、もう一度Y先生に相談しました。 「あなたの気持ちはわかるわ。でも、もしもパニック障害なら今すぐ治療が必要だから、
セカンドオピニオンで別の心療内科にも診てもらったほうがいい」
Y先生の言葉を頼りに、また心療内科探しを始めました。

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