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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第37話】薬を飲むのが怖い

正直に言うと、精神科のお薬を飲むことに抵抗がなかったわけではありません。

昔、元気だった頃のばあちゃんは、眠れなくて一時安定剤を飲んでいました。
ところが、服用するのは1日1錠のところ、誤って朝昼晩と3錠も飲んでいたんです。
それを家の人が誰も気づかず、ばあちゃんはもうろうとして、
食事中、どんぶりに口をつけたまま寝てしまったり、
お風呂から上がり、座って着替えている途中に椅子から転げ落ちたり、
ふらふらして歩けなくなったり…
薬の副作用でおかしくなってしまったばあちゃんの姿を間近で見ていたので、
飲むのが怖かった。

それをT先生にお話したところ、
「じゃあ、1錠じゃなく、まずは半錠から始めましょう」
「大丈夫!治ります!」と自信を持っておっしゃるT先生を信じて、
治療を開始しました。

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