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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第40話】共倒れになってはいけない!

10月26日、朝から寒気がしていました。
ちょうどその日は作業療法士さんと訪問看護師さんがいらっしゃる日で、
みなさんが帰ったあと、熱を測ると38.3℃…。
近くに住んでいる弟に連絡すると、今日は仕事が休みとのこと。
急遽来てもらい、救急外来に行かせてもらいました。

翌朝、私は薬のおかげで少し熱が下がったものの、今度はばあちゃんが37.6℃の熱。
痰も異常に多く、痰でうがいでもしているようにのどがゴロゴロ鳴っています。
すぐに病院へ行き、内科を受診しました。
K先生に、私自身もパニック障害になり、体調がおもわしくないことを話すと、
「このままだと共倒れになってしまうから、しばらくおばあちゃんを入院させよう。
その間に自分の体を整え、病気を治すように!」
と言っていただきました。
10年間の私たちの生活を知ってくれているからこその配慮だったと思います。
その後、T胃腸クリニックへ行き、待合室で震えながら待っていると、
受付の女性が「旧式だけど」と言って、ペットボトルにお湯を入れた即席湯たんぽを
渡してくれたのもありがたかったですね。気持ちもポカポカあったまりました。

ばあちゃん入院後、ちょっとホッとしたのか、
その日の夕方からまた39℃台まで熱が上がり、
翌28日は40℃の高熱。
食べられないことで抵抗力も落ちていたのでしょう。
今まで大きな病気をしたことがなく、
自分の体のことを真剣に考えたこともなかったけど、
今回ばかりはバランスよく口から食べることの大切さを知りました。

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