在宅医療には、主治医や看護師さん以外にも、訪問看護師さん、作業療法士さん、ケアマネージャーさんなど、多くの方々が関わります。また、家政婦さんや訪問美容師さん、私の体と心をいたわってくれるたくさんの人に支えられ、元気に介護生活を続けることができるのです。みなさんの存在がどれだけ心強いか、ばあちゃんと私のために結成された『孫の手』チームメンバーをご紹介するとともに、寝たきりのばあちゃんを長くお世話してきたからこそわかる介護のポイントを、私と同じ「孫の手」のみなさんとシェアしたいと思います。
在宅介護の場合、介護する側の細かな観察が大切です。
私は、小さな変化を見逃さず、早めの対処をすることで
ばあちゃんの健康状態が保てると思っています。
朝一番で、顔が青白くないか、赤くはないかチェック。熱があるときは顔が赤い。
毎日表情が違う。調子が良いときは顔にハリ・ツヤがあり、調子の悪そうなときはハリがなく、顔にシワが多くなる。
むくんでいないときはシワがあり、むくんでいるときはシワが消えパンパンに張っている。
着替えや入浴時、床ずれのできやすいお尻の割れ目の上を見る。小指の爪ほどの大きさでも皮がむけると独特のにおいがする。
調子の良いときはゆっくりスースーと呼吸している。調子の悪いときは呼吸が早く、肩で呼吸しているように見える。
オムツを広げて見ると同時に、尿バックにきちんと尿が出ているか? 尿の色は濃くないか? 尿量は多くないか? 見る。
寒くはないか? 暑くはないか? 手足の先を触って確認。手足が冷たければ部屋の温度が寒いと判断し、エアコンや毛布などの掛け物で調節する。
鼻が冷たいときは、部屋が寒い証。逆に温かければ、室温がちょうどいいと判断する。
熱はないか? 体温計ではなく触って判断する。おでこ、首を触り、熱いなと思ったら脇を触る。熱ければ体温計でチェック。
布団をめくってクンクンする。便が出ているとオムツを広げなくてもにおいがする。
尿漏れするのは、主にせき込んで力んだときやフォーレに浮遊物がたまって詰まっているとき。尿漏れがあれば、布団をめくったときモワッと尿のにおいがする。
腸は長いので、お腹の中心・上・下・右・左と聞き分ける。パイプの中を水が流れているような音が聞こえているときは腸が活動している。聞こえないときは腸が活動していないので、お腹のマッサージを始める。
痰が絡んでいないときはスースーと静かだが、痰が絡んでると喉がゴロゴロしたり、胸のあたりがゼイゼイし、ひどいときは痰でうがいしているような状態になる。