パート1はこちら
総集編はこちら
パート1は
こちら
総集編は
こちら

ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第38話】パニック障害のせいで、あれこれ困った!

病気がわかってからは、とにかく体に感じる“圧迫”が発作の引き金になりやすいため、
ブラジャー、靴下、ブーツなど、体を締めつけるものが身につけられなくなり、
洋服もピッタリと体にフィットするものが着られなくなり、
ゆとりのあるダボダボした洋服を選んで着るようになりました。
それだけでなく、美容室で首に巻くタオル、ビニールケープの圧迫感や
歯医者さん、美容室で水がはねないように顔にかけられる
フェイスガーゼやタオルも閉所恐怖症のせいで苦手になりました。

また、エアコンの冷たい風は大丈夫なのに、
暖かい風を浴びると発作的な症状が起きるので、
建物内のエアコンの温風が苦手になりました。
湿気を感じるだけでも“圧迫”を感じてしまい、
発作的な症状が起きやすくなります。
なので、お風呂に入るときも扉を閉めることができず、少し開けて入っていました。
お天気も関係していて、青空が見えるすっきり晴れた日は大丈夫なのに、
どんよりとした灰色の空の日は気分が落ち込み、
発作的な症状が起きそうで強い不安を感じました。
それから、音。
上の階のお子さんが走り回る足音、テレビの音、電話の奥で遠くに聴こえる音楽など、
まわりの雑音が苦手になり、テレビは音を消して見ていました。

私の場合、突然、息ができなくなるような不安感と動悸に襲われ、
発作的な症状が出ると自分の感情がコントロールできなくなり、
その辺をウロウロ歩き回ったり、
部屋の中でじっとしていられず、外やベランダに飛び出てみたり…
そんなことが多かったように思います。

心配事があったり、強く不安を感じたりすると手足がだるくなり、
プルプルと震えることも。
ぐっすり眠れなくなり、夜中に2度、3度、目が覚めてしまうこともよくありました。

第39話へ ▶