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ばあちゃんと私の物語

9年間、孫が一人でおばあちゃんを在宅介護してきたあゆみを30話の物語にし、『孫の手』としてまとめたところ、読んでくださった多くの方から「感動しました!」「がんばってね!」と励ましのお言葉をいただきました。人から人へ手渡され、今では『孫の手』が看護学校の図書館や介護施設、認知症カフェなどにも置かれるようになり、反響の大きさを感じています。最近になって「物語のつづきはまだ?」と聞かれることが増え、思い切って、また筆をとることになりました。よろしければお読みください。

【第44話】お正月に起こったばあちゃんの異変

年が明けた平成29年1月3日のことです。
それまで比較的安定していたばあちゃんが熱性痙攣を起こしました。
みなさんも起床後に伸びをしたり、あくびをしたりすると思いますが、
調子のいいときのばあちゃんは、猫みたいに可愛い顔をしてまっすぐ伸びをするのに、
熱が上がり出すと顔をしかめて首を横に曲げ、目を半開きにした状態で伸びようとするんです。
この日も「変な伸び方をしているな…」と思い、こまめに熱を測ってみると、
1時間のうちに、36.7℃、37.2℃、37.6℃、38.3℃、39℃と一気に熱が上がり、
手足をピンと伸ばしたままピクピク震え始めました。

急いで救急車を呼び、病院へ搬送してもらい、そのまま入院。
いろいろ調べてもらい、熱の原因は「尿路感染」とわかりました。
さらには膀胱内に結石を4、5個発見。
石が悪さをして熱が出たのかもしれないということでした。
その後、抗生剤の点滴を受け、泌尿器科で内視鏡手術を行い、
石を砕いてもらうことで症状は治まりましたが、
熱で肺炎などを発症すれば、命にかかわることも考えられます。
ばあちゃんにはもともと水頭症という病気があり、
てんかん系の発作を起こす可能性もありました。
ばあちゃんに何かあったら…と
考えるだけで、心臓がドキドキします。
お正月早々、ヒヤッとする出来事でした。

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